マリオがオーバーオールを着ている理由知ってる?
本日、ニンテンドーSWITCHのスーパーマリオオデッセイが発売されました。
主役はもちろん、誰もが知ってる国民的ゲームキャラクターマリオ。
そんなマリオはなぜオーバーオールを着てるのか、あなたは知っていますか?なぜ帽子をかぶっているのか、なぜ鼻がデカイのか?そもそもなぜヒゲが生えたおっさんなのか…?これにはちゃんとした理由があるんです。
マリオはなぜオーバーオールを着ているのか?
マリオが初登場したのは1985年に発売されたファミコンソフト「スーパーマリオブラザーズ」…ではなく、1981年に発売されたアーケードゲーム「ドンキーコング」からです。このゲームの主人公キャラクターとして登場しました。
当時は容量が厳しく、荒いドット絵でキャラを表現しないといけません。マリオは16×16という限られたドット絵で表現する必要がありました。(ちなみにこの頃はマリオではなく「ジャンプマン」や「ミスター・ビデオ」と呼ばれていました)
その厳しい制限の中、キャラを8頭身や6頭身にするわけにはいきません。さらに目、鼻、口と顔のパーツを全て描く余裕もありません。そこで、ドット数を稼ぐ為に、強調された鼻にヒゲが付け加えられました。髪の毛(頭)も描ききれないので帽子をかぶせました。これで、キャラの顔が完成。
次に、残りのドット数で身体を表現しないといけません。しかもゲームとしてアニメーションにする必要があります。走るときに腕や身体の動きがわかりやすい格好はないかと…そこで出てきたのがオーバーオールだったんです!
こうして、オーバーオールを着たマリオは誕生しました。
出典
デザインが先にあったわけではなく、限られた制限からゲームとしてのキャラを表現した結果、マリオは今の姿になったわけですね!
この辺の話はマリオの生みの親である宮本茂さんがインタビューで語っています。
実は、こういった話は他のゲームにもあったりします。
カービィはなぜトマトが好きなのか?
あの丸くてピンク色の可愛いキャラクター、カービィの初登場は1992年に発売されたゲームボーイソフト「星のカービィ」からです。
そしてカービィの好物は、中央に大きくMと書かれたマキシムトマト。これを取ると体力が全回復します。でもなんでトマトが好きなのか?これってちょっと不思議じゃないですか?
出典
これについてはカービィの生みの親である桜井政博さんがTwitterでこう呟いています。
マキシムトマトは、容量が相当厳しかったので左右反転で描け、かつボリューム感があり、白黒でもおいしげに見え、文字情報を乗せても大丈夫なデザインということでドットを打ちました。
— 桜井 政博 (@Sora_Sakurai) 2011年6月7日
当時のゲームボーイはカラーではなくモノクロ液晶でした。
厳しい制限の中で表現できる、美味しそうな食べ物は何かと考えた結果、カービィをトマト好きにさせたわけです!
左右反転など、当時のゲームには容量を稼ぐための工夫は随所に見られます。見た目そっくりの色違いの敵なんて沢山いましたからね。
ちなみに桜井政博さんは19歳の時に本作を企画し、22歳の時に世に生み出すって…凄くないですか?(のちにスマブラも作ります)
スネークはなぜ隠れるのか?
スネークはゲームクリエイター小島秀夫監督が生み出した、戦争を題材にしたゲーム「メタルギアシリーズ」の主人公です。
「なぜ隠れるのか?」と言われても敵に遭遇しない為では?って話ですがまさにそうなんです!
リアリティ溢れる映像でお馴染みのメタルギアシリーズですが、その一作目となる「メタルギア」を1987年に発売。
メタルギアは当時爆発的な人気があったファミコンではなく、MSXというコンピュータから発売することになりますが、MSXの性能はファミコンよりも劣ります。
アクションゲームは基本的に自ら敵を倒しながら進んでいくゲームです。本作も当初は敵をバンバン撃ちまくって進んでいくゲームを想定していましたが、MSXのスペックでは弾や敵を多数表示できないのでアクションゲームを作るのは困難な状況でした。
そこで「戦闘シーンを回避しながら進んでいくことをコンセプトにしたゲーム」という逆転の発想から、隠れて敵陣に乗り込むスネークのスタイルが生まれました。
出典
http://blog-imgs-35-origin.fc2.com/2/h/o/2hoursuspense/MG.png
この斬新な発想はゲームユーザーに衝撃を与え、特に海外で評価されました。
ステルスアクションという新ジャンルを築いた本作はストーリーの完成度も高く、何よりドットでこれだけリアルな世界観を表現できたところが素晴らしいです!
ちなみに「スーパーマリオブラザーズ」にハマった小島監督は宮本茂を尊敬しており、桜井政博と親交があったことからスマブラXにソリッド・スネークが参戦することになりました。
おわりに
今ではハイスペックで自由度の高いゲームを生み出すことが出来るゲーム業界ですが(それはそれで大変でしょうが…)、これまでのゲームの歴史は"容量との戦い"でもありました。
与えられた制限で知恵を絞りながら築き上げてきたゲーム業界の先駆者たちに思いを馳せながら、最新ゲームをプレイしてみてはいかがでしょうか?
「変わった設定だな?」と思ったその裏では、意外な答えがあるかも知れません。